Archive: 2023年12月9日

行列のできる法律相談 市役所編

市役所での法律相談がありました。

利用する方は無料ですし、市役所で行われるという便利さと安心感もあるので、だいたい毎回みっちり詰まっています。市役所での法律相談は一人20分。込み入った話を解きほぐして聞き取り、法的には多様な切り口があるところを的確に絞り込んで、なるべく分かりやすくアドバイスする。それを次々にこなす。率直に言ってたいへんなのですが、うまく対応できて相談者が喜んでくれたときは、やはり心が充実します。

市役所に着いて担当の方にご挨拶すると、六法などが容易された専用の部屋に通されました。広い空間に机がドーンと置かれていて、私の名前が書かれたプレートがちょこんと置いてあります。

全枠埋まっているだろうなと予想しながら、「今日は相談者は何人来られますか?」と係の人にお聞きすると、優しい笑顔で「16人です。一人20分なのでよろしくお願いします」。「16人!!、16人ですか!?」〈何かの間違いにちがいない。5時間20分ぶっ通しで法律相談をする。すりつぶされてしまう。〉

実はすぐ隣も法律相談の部屋で、二人の弁護士で16人の相談者を担当する、ということが後で分かりました。最終的には、ラスト一人の相談者がキャンセルされたようなので、意外にあっという間に終わってしまいました。

《廣井》

接見はやはり

警察署で被疑者に接見してきました。逮捕されると、警察署内の留置施設と呼ばれる場所に入れられてしまうことがあります。そこに弁護士が会いにいくことを接見といいます。つまり面会しに行くのです。

さて、今回行った警察署の接見の部屋が、とにかく狭かったのです。もちろん部屋の大きさを測りに行ったわけではないのでじっくり眺めまわした訳でもなく、本当にどれくらいの広狭だったのかは感覚的な話でしかないのですが。

被疑者とこちらの間には透明なアクリル板(本当にあの素材がアクリル板なのか、確かめたことはありません)で区切られて、声だけは通るように工夫されています。しかし、それでもどうしても声が届きにくいし、相手の声も聞き取りにくいです。

この小さな部屋で、透明な仕切りを間に相対(あいたい)して、大きな声を出しながら、お互い「え?」と聞き返しながらやり取りしている姿は、俯瞰してみるとなんだかシュールな気がしました。

《廣井》

今どきの裁判風景 Web会議

先日、愛知県内の裁判所で行っていた訴訟事件が終わりました。

和解で終わったのですが、依頼者にとってもよい終わり方であり、またよい和解内容であったなと思っています。自分なりにも満足しています。

さてこの裁判は、私の事務所から近い名古屋の本庁の裁判所ではなく支部の裁判所であったため、行くとしたら少し時間がかかりました。原告にも被告にも代理人の弁護士がついていたため、裁判所はWeb会議システムで期日を進めてくれました。記録もかなりの分量がある事件だったので、持ち運ぶ必要がなく助かりました。

数年前、東京地裁での訴訟事件のときは、期日のたびに新幹線を使って出張し霞が関に行っていたことを思えば隔世の感を覚えます。キャリーケースに大量の書類を詰め込んで、霞が関の地下鉄の階段を昇っていたことを思い出しました。

Web会議の利点は多くありますが、やはり期日でのコミュニケーションには難点もあると感じます。裁判官や相手方代理人の言葉だけではない雰囲気や姿勢みたいなものを、こちらがしっかりとつかみ取る努力がより一層求められるとなと思った次第です。

《廣井》